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since 2007 3/25スペースupdate 2008 7/8

■ Headbox MK II改造記録 ■

HEADBOX MK2

注意:このページに書かれている改造と同様のことを行って、何がどうなっても、当方は責任を負いかねます。

■ 概要

高音質化を目指しヘッドホンアンプHeadbox MK IIを改造した工程、情報をまとめる。

■ 購入

HEADBOX MK2
メーカー:pro-ject(プロジェクト)
型番:HEADBOX MK2
購入店:ヨドバシカメラ マルチメディア横浜店
購入日:2007 3/6
定価:21000円
値段:16800円

2005年2月にヘッドホン端子のないアンプに交換してから、ヘッドホンでテレビなどの音声を聞くことが出来なくなっていた。そのため、2006年1月にヘッドポン端子のあるPC用のアクティブスピーカーをヘッドホンアンプの変わりに購入し安く済まそうとした。
しかし、購入したスピーカー(ELECOM MS-77BK 2980円)でヘッドホンを使用すると、ノイズが大きくとても使用に耐えない。もともと音質などは考慮していないが、それにしてもノイズが大きすぎる。

そこでネットの検索からいろいろとヘッドホンアンプを探していたところ、この製品を見つけ購入することとした。選択理由は見た目とフル規格のinとoutのRCA端子がついたため。
また、本格的に音楽の視聴に使用するつもりはないため、低価格なこと。audio-technicaからも5000円台のヘッドホンアンプが出ているが、一方側にミニピン端子しか付いていない。

あまり見かけない機器なので店で、購入するにはいくらか足で探す必要があると思い、ネットで販売している上新電機 で3/4に注文した。帰ってきた注文確認のメールには、上新電機に在庫がなく取り寄せになるようで、納品予定は3月中旬であった。その後、3/5にヘッドホンを購入するために立ち寄ったヨドバシカメラマルチメディア横浜店にこの商品が展示しているところを見つけた。しかも上新電機よりも値段が安く、ポイントも付く。そのため、上新電機の注文をキャンセルし、ヨドバシカメラマルチメディア横浜店で購入した。

2008年1月追記:
ヨドバシカメラ横浜店の展示が、生産終了品となっていた。

2008年3月追記:
ヨドバシカメラ横浜店の展示が、なくなっていた。

2008年7月追記:
また、出回り始めた。しかし定価が21000円(20000円+税)から26250円(25000円+税)に値上がっている。 値段の付け方がどんぶり。
ちなみにメーカー元のドイツの店では、100ユーロ(売上税19%含む)。

■ 特徴

ネット上にあまりこのヘッドホンアンプの情報がなく、それほど売れているような様子もないようなので、コストパフォーマンス的には悪いのかもしれない。このクラスのヘッドホンアンプでは、AUDIOTRAK のDr.HEADの人気が高いが、そのデザインを受け入れることができなかった。

特徴として、小さい。電力はACアダブターで供給される。電源スイッチがない。電源をつけなくても、INからの音声がOUTのRCA端子から出力される。ボリュームいっぱいまで上げても、ノイズは出ない。
その他に比較する機器がないので、音の傾向はよくわからない。

2008年1月追記:
ボリュームの操作で、ガリが出てくるようになった。

NLM2068D
中身を見ると、オペアンプに2回路の2068Dが使用されていることがわかる。
以前、行ったDAC-AHの改造で、オペアンプの種類により音質が変化することがわかった。
基板に直付けだがソケットに乗せ変えると、他のオペアンプに交換することで、聞き比べができ、面白いかもしれないと考えた。

■ 改造方針

オペアンプが交換できるように、ソケットに付け替える。いくつかのオペアンプを聞き比べ、最適なものに載せかえる。

オペアンプの交換だけでは寂しいので、ほかの部品にも手を入れることを考えた。
少し考え、素人判断で信号の入口と出口にあるコンデンサも交換することとした。

■ 部品

1、オペアンプ
オペアンプ

JRC(新日本無線) NJM2068D :千石電商 80円
Texas Instrument(テキサスインスツルメンツ) NE5532P :千石電商 140円
Burr-Brown(バーブラウン) OPA2134AP :サン・エレクトロ 400円
Burr-Brown(バーブラウン) OPA2604AP :サン・エレクトロ 577円

以上の2回路内蔵のオペアンプを用意した。
NJM2068Dは、もとのHeadboxについているオペアンプ。取り外しで再利用ができない可能性があるため、予備で買っておいた。
OPA2604APは、OPA2134APと間違えて購入した。8足ICソケットは、50円。

2、コンデンサ

ニチコン MUSE KZシリーズ 25V/470μF 2個
購入店:海神無線(東京ラジオデパート2F、日曜休み)
値段:260円(1個)

出力側のコンデンサ。たぶんカップリングコンデンサ。
MUSE KZシリーズは、音楽用アルミ電解コンデンサの最高峰。
店頭で手に取ったとき、Headboxについている元のコンデンサより大きい気がした。
ニチコンのコンデンサのページ


3、コンデンサ

ニチコン MUSE FGシリーズ 100V/4.7μF 2個
購入店:海神無線
値段:50円(1個)

入力側のコンデンサ。
こちらもニチコンのKZシリーズにしようと思ったが、ぱっと見、同じ値のものがなかったので、これにする。

購入は、2007年3月24日。一部オペアンプのみ3月10日。

■ 改造前後の基板

改造前
HEADBOX MK2
改造後
HEADBOX MK2

■ 改造工程

オペアンプの取り外し
HEADBOX MK2
オペアンプ裏側のはんだは取り去ることができたが、表側は他の部品があるため、はんだごてを入れ込むことができず、はんだを取ることができない。
やはり、足を破壊することになった。

ソケット取り付け
HEADBOX MK2
オペアンプは基板の表に通電させなければならない足が何本かある。オペアンプの取り外しと同じように表側は他の部品があるため、はんだごてを入れ込むことができず、はんだを付ける事ができない。
表側は、接触だけで導通させていることになっている。音は出ているが少し心配。

出力側コンデンサ
HEADBOX MK2
店頭で大きく感じたコンデンサだが、元に付いていたコンデンサと比べると、やはり大きい。
立てて基板に取り付けると、とてもケースの中には入らない。
HEADBOX MK2
銅線を曲げ、
HEADBOX MK2
無理やり入れ込む。

入力側コンデンサ
HEADBOX MK2
こちらは、元に付いていたコンデンサと同じ大きさなので、入れ替えは簡単。

もとHeadboxに付いていた部品たち
HEADBOX MK2
スプリングワッシャがひとつ割れていたので交換する。。

■ オペアンプ聴き比べ

V+ V-間の電圧を測定すると、約14V。

JRC NJM2068D 80円
Texas Instrument NE5532P 140円
Burr-Brown OPA2134AP 400円
Burr-Brown OPA2604AP 577円

結果から書くと、OPA2604APを選択した。音がはっきりくっきりして、好みに合った。
一番、音楽的なのはOPA2134APかもしれない。高音、低音とも伸びがあり、なめらか。
NE5532Pも、OPA2604APとOPA2134APに比べほとんど差は感じられなかった。コストパフォーマンス的には良いかもしれない。

符号で書くの以下のような感じ。
NJM2068D<<<<<<<<<<<<NE5532P<OPA2134AP<=OPA2604AP

その後、テレビ視聴ではノイズなど聴きたくない音まではっきり表現されるため、OPA2134APにのせかえる。

■ コンデンサ交換の効果

わからない。

改造前にほとんど、このヘッドホンアンプで音楽を聴いていないため、改造前後の差を実感できなかった。

■ 回路

HEADBOX MK2

HEADBOX MK2 回路図

基板と部品からHEADBOXの回路を読んだ。
v1が入力端子部分。v2はACアダブターからレギュレータ以降。レギュレータの記号がないため、電源部のダイオードやコンデンサは略した。
文字化けのため、"μ"が"fE"になっている。
(注意:読み間違えをしている可能性が大いにあります。)

■ 反省会

レギュレータが結構、熱を発する。大きなコンデンサを入れ込んだため、今後、熱の問題が出ないか心配。電気的には銅線などがどこかに接触しているようなこともないため、問題ないと思われる。

ICソケットの取り付けで、構造的に基板表側の足にはんだを付けることが出来なかった。裏からはんだを付けたときに、表側にも浸透していることを祈る。

オペアンプは、さらにグレードアップすることも出来るが、今のシステムでは、音楽はヘッドホンより小音量でもスピーカから聴いた方が気持ちが良いし、ヘッドホンで聴くのは主にテレビ音声なので、ここまでとする。
さらにオペアンプのグレードアップを行うとすると、OPA627BPの2個使いとかが考えられる。(約8000円)

部品費1200円強(交換用部品を合わせても2000円弱)で行う電子工作としては、面白い。部品を交換することによる音の違いを見ることも楽しい。しかし、1万円ちょっとのアンプがすこしの改造によって、10万以上の機器の性能に近づくわけもない。反対に本来、設計された回路のバランスを崩すことにもなりかねない。
ネット上にある情報によっては少しの改良で誇大な効果をうたうものをあるが、機器の改造は自分の判断と耳によって行った方が良いと思う。


(随時、更新中)

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