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since 2006 10/4スペースupdate 2008 2/5

■ DAC-AH 改造記録 ■

DAC-AH

注意:このページに書かれている改造と同様のことを行って、何がどうなっても、当方は責任を負いかねます。

■ 概要

音質アップのため、DAC-AHの改造を行った。
改造の過程と改造のために調べた情報をまとめる。

■ DAC-AH

DACとは

Digital to Analog Converterの略。デジタル-アナログ変換機。
オーディオ的には、CD、DVDに入っているデジタル信号を、アンプが扱えスピーカで鳴らせられるようなアナログ信号に変換する機能。
DACは、CDプレーヤーには、内蔵されている。オーディオ出力できる機種なら、パソコンにも入っている。

DACは、使用する電子部品、周りの環境(振動、ノイズ)に影響をうけ、音質を変える。
そのため、高品質の単体DACを使用するほうが、音質で有利になる場合が多い。
特にパソコン内臓のDACに比べると、質が違う。

ほとんどのオーディオ用単体DACは、20万円以上の値段が付いている。

DACの接続
DAC-AH
DACは、CDプレーヤやパソコンからのデジタル信号を入力し、アナログ信号をアンプに出力する。
入力は、CDプレーヤやパソコンの同軸デジタルRCA端子や光コネクタ(Toslink)から接続する。
デジタルRCA端子からは同軸デジタルRCAケーブル(見た目は普通の音声用RCAケーブルと同じ)、光コネクタからは、光ファイバーケーブルを使用する。
少しクラスが上のCDプレーヤならば、CDから読み出したデジタル信号を直接、出力できるデジタル端子、光コネクタが付いている。
パソコンからでも光コネクタやUSBから出力できる。(現在発売中のMacには、すべて光デジタルオーディオ出力が付いており、利用できる。)
出力は、アナログのRCA端子、XLR端子から、適当なケーブルでアンプ等につなぐ。

信号は、PCM (pulse code modulation、パルス符号変調) 方式で伝送される。
信号によりサンプリング周波数、量子化bitに違いがあり、DACが入力の周波数、bitに対応している必要がある。 音楽CD(CD-DA)は、サンプリング周波数44.1kHz、量子化16ビット。
私が持っている機器では、CDプレーヤ、DVDハードディスクレコーダ、MacからDAC-AHへつなぐと、特に設定を変えなくても音が出てくる。

DAC-AH
DAC-AH
メーカー:LITE AUDIO(香港?)
購入価格:21040円(送料込み)
入力:デジタルRCA端子、光コネクタ(各一つ、スイッチで選択する)
出力:RCA端子
対応サンプルレート:32/44.1/48/96kHz (24bit対応)

海外のネット通販やYahoo!オークションで手に入れることが出来る。
私が購入したものは基板が緑。2006年にYahoo!オークションで購入したものだが、古い古いロットらしい。最近のものは赤基板。

DAC-AHのネット上の評価

他の高価な単体DACに、引けを取らない性能を持つ。
コストパフォーマンスがよいので、入門機にちょうど良い。
部品を入れ替える改造により、さらに音質がよくなる。

■ 改造指針

基本的には、元からある部品を高品質の物に交換しているだけ。

改造の情報は、ほぼ「DAC-AH」をGoogleで検索したサイトから得ています。
およそは雑誌に記載された西川和久氏の改造を基にしていますが、元の記事は見れてません。

1週間程度、ネットから情報を集めて、改造を実行する。

電子回路を最初から作ったり、改良したりする知識など持っていないため、間違えた改造をしている可能性が多分にあります。

■ 用意した工具

六角レンチ11番2本

RCA端子の取り外しに必要。

プラスドライバー

筐体、基板の取り外し用

半田ごて

部品を取るには、出力の高いものが良いらしい。実際に使用したのは、低めの15W。

ハンダ

オーディオグレードというものがあるらしいが、手元にあった普通のヤニ入りハンダを使った。
日本アルミットのKR-19RMAとかよいらしい。

手動式ハンダ吸い取り機

メーカー:白光株式会社
値段:1460円
今回、購入。
これがなくても部品は取れるが、ハンダが取れていないと部品を再び取り付けることが難しい。仕組みがとても原始的。

ピンセット

ニッパー

部品の足を切るため。小さい方が使いやすい

テスター

メーカー:三和電気計器(株)
型番:PM3
値段:2980円
今回、このために購入した。
以前にアナログ表示のテスターを持っていたが、デジタル表示はやはり見やすい。

■ 改造箇所

改造前
DAC-AH
改造後
DAC-AH

■ 交換部品

購入は、すべて2006年9月30日。

1-コンデンサー

メーカー:ニチコン
品名:MUSE ESシリーズ
容量:25V/220μF
数量:3個
購入店:海神無線(東京ラジオデパート2F、日曜休み)
値段:110円(1個)

海神無線で「繊細な音が期待できる」との表示があったため、これにする。
しかし、あとでニチコンのサイトで確認すると、これはオーディオの標準グレードで、さらに2段階グレードが高いKZシリーズというものがあることがわかった。こちらには、店頭には「中音がよくなる」との表示があった。(注意:後日、店のコンデンサの評価をあらためて見ると、かなり覚え間違えていた。)
2番のコンデンサーと同じなので、ついでに交換した。

2-コンデンサー

メーカー:ニチコン
品名:MUSE ESシリーズ
容量:25V/220μF
数量:2個
購入店:海神無線(東京ラジオデパート2F、日曜休み)
値段:110円(1個)
(1と同じ)

3-抵抗器 

値:270Ω
数量:2本
値段:300円(100本)

汎用グレード。使ったのは、テスターで測定して選別した2本だけ。

4-抵抗器

値:47kΩ
数量:2本
値段:80円(1本)
 
オーディオグレード(メーカー、種類などは忘れた。)

5-カップリングコンデンサー 

ASCポリプロピレンフィルムX363

メーカー:ASC
品名:ポリプロピレンフィルムX363シリーズ
容量:400V / 0.22μF
品番:400V224K
数量:2個
購入店:海神無線(東京ラジオデパート2F、日曜休み)
値段:500円(1個)

なぜこのコンデンサーを使うのかよく分からないが、高音側の音質が良くなるらしい。

メーカー:ニチコン
品名:MUSE ESシリーズ
容量:50V/22μF
数量:2個
購入店:海神無線(東京ラジオデパート2F、日曜休み)
値段:50円(1個)

もと付いていたコンデンサーも変えてみる。しかし、このコンデンサーで適当なのかは、わからない。
なぜパラるのかも、よく分からない。

6-オペアンプ+ICソケット 
OPA627BP
メーカ:BURR-BROWN(バーブラウン)
型番:OPA627BP
値段:3980円(1個)
数量:2個
購入店:サン・エレクトロ(東京ラジオデパート2F、通販もあり)

あとでネットで調べると、オーディオグレードの最高峰らしい。最高値で買ってしまったらしい。OPA627APの在庫を尋ねたが、ないと言われた。
ICソケットは、50円(1個)

その他

他に、ヒューズをセラミックヒューズに変えると良いとの情報がネットにあったが、そのセラミックヒューズが店ではどれがどれやら分からなかった。

■ 改造過程

改造で難しかった点、留意点をまとめた。

RCA端子の取り外し
プラスチップの部品が取り外しが難しかった。無理矢理とるしかないようだ。

部品の取り外し
ハンダを溶かせば、すぐ取れるような感覚があったが、なかなか取れない。
ハンダ取り器で、しゅぽしょぽハンダを地道に取りながら、部品を引っ張り取っていく。
最後の方は、すぐに取れるようになったので、慣れるしかないようだ。

オペアンプの取り外し
AD847JN
オペアンプは、8本足があり、裏面だけではなく、所々表面にもハンダが付いている。ネットで調べてみると、両面ハンダが付いている場合、ハンダごてを2本両面にあてながら足を1本づつピンセットで持ち上げてとる方法があったが、とても出来そうにない。
結局うまい取り方がわからず、足を破壊し、基板に残った足を1本づつ取り除いた。破壊する際、邪魔になった青い四角い物は一時的に立ち退いてもらった。
もと付いていたオペアンプは、AD847JN。1個500円前後。ネットでの評判は悪くない。すでに在庫が少なく、手に入りにくいものらしい。ほしいことをした。
AD847JN
その後、ソケットを取り付け、復活させた。

抵抗器の選別
DAC-AH
ネット情報では抵抗器をVishayと言う種類の物を使用している。いくつか店を回ったが見つからなかったので、普通の抵抗を使った。
抵抗器は、絶対的な精度より左右の値の差が小さい方がよいとのネット情報もあったので、たくさんの抵抗をテスターで測定して、抵抗値の近いものをペアで使った。
3番の抵抗は、266.6Ωで揃えている。これだと、差は0.04%以下。
安い抵抗でも、抵抗器は周波数特性も平坦なので大丈夫では無いかと思う。
もと付いていた抵抗を測定したところ、47kΩの抵抗が46.1kΩと45.4kΩ、270Ωの抵抗が273.3Ωと272.7Ωだった。

カップリングコンデンサーの配置
DAC-AH
カップリングのコンデンサーがRCA端子に干渉して、斜めになった。

改造後、音が出ない
部品交換後、ケーブルをつなげて、電源を入れるが音が出ない。青いLEDも付かない。
調べてみると、ヒューズケースの付け直しで電源が入るようになる。ヒューズを取り外したとき、うまく取り付けていなかったらしい。
なおLEDが点いたり消えたりしていたので、3つある1番のコンデンサーの左の1つが基板の表に通電していないようだったので、付けなおした。

もともとDAC-AHに付いていて交換した部品たち。
DAC-AH

■ 改造の効果

改造後の第一印象は、改造前から比べ、音の厚みが広がった感じがする。
所有しているLINNのMIMIKと比較しても遜色はないため、改造で大きな失敗はしていないと思われる。
改造後DAC-AHは、LINNのMIMIKと比べ、するどい感じがする。解像度が上がった感じがする。
試しに、汎用のオペアンプを買ってきて聞き比べた。
TL071CPTL071CP 1個80円
TL071CPでは、すこしざらついた感じがする。
いずれの改造、交換にしても、音の変化は小さい。しっかり聞き込まないと違いが分からない。
コンデンサー、抵抗器の交換は、効果のあったのか良くわからない。
(オペアンプは取替えが容易なため音の比較がしやすいが、コンデンサー、抵抗器は一度取り付けてしまうと付け替えが難しいため、変更前後の音質の違いを確認しにくい。)

■ 反省会

はんだ、はんだごて

はんだごては、やはり60W以上のものが使いやすいようだ。
最近の鉛フリーのはんだは、60W以上のはんだごてを推奨している。

TL071CP
はんだを取り去ることに苦労したが、その後「はんだ吸い取り線」というものがあることが分かる。
Headbox MK II改造では使用してみた。ちゃんとはんだまで熱が伝わらないと取れない。うまく行くとすっかりはんだを取り去ることができる。


カップリングコンデンサ

カップリングコンデンサとは、音楽信号を外部に出力するとき、本来は交流成分のみのはずだが、直流成分が乗っている場合があり、この直流成分を取り去る役目をするものらしい。
回路が理論の通り動くものなら、必要ないものらしい。

コンデンサをパラ(並列)にする理由は、勉強中。
(たぶん、高い周波数になると大きな容量のコンデンサでは、直流成分を取りきらないためだと思う。確信なし)

抵抗の選択

安い抵抗器は、周波数による変化は少ないが、温度特性が良くないらしい。

改造後、音が出ない。

改造終了後、電源、信号ケーブルをつないでも、スピーカから音が出なかった。
この場合、知識のない者にとっては、どこをどうすればいいのか分からない。どれかの素子が故障したのか?どこかでハンダが短絡しているのか接続されていないのか?テスターは手元にあるが、どこから調べたらよいのか分からない。
最悪、このまま機器が直らず、投入金額が丸々損失することもありえた。
機器の改造は、こう言った可能性や、さらに悪くすれば感電、火傷などもあるので、十分、気をつけて行う必要がある。

このときはヒューズを確認した後の取り付けでヒューズの接触が悪かっただけなので、ヒューズ取り付け端子の付け直しですぐに動作するようになった。

本当はCHORDのDAC64Mk2がほしい。

私の視聴環境、聴いている音楽の種類ではもったいないので、我慢する。

■ 売却

ヤフオク!出品

2012年9月にCHORDのQute HDを購入し、こちらを常時使用にしたため、DAC-AHは使用しなくなった。
そのため、2015年1月にヤフオク!にて売却を行った。
交換部品は、取り付けたまま。

開始時の値段:1000円
落札価格:9250円

OPA627BPの真偽

ヤフオク!でDAC-AHに取り付けたOPA627BPに偽物も疑いがあるとの質問がきた。
ロット番号が本物と矛盾するとのこと。

webで調べたところ、OPA627BPの偽物が出回ってることが確認できる。
真偽の判定方法は、2chやブログなどにあったが、確実なものがない。

そのため、現在のOPA627BPの発売元であるテキサス・インスツルメンツにホームページから質問する。
「分解してみないと確認できない。正規代理店から購入したものでないと保証できない。」とのこと。

ヤフオク!では真偽不明のまま、入札者に判断を任せることとした。

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